124ci(約2034cc)圧縮比11.2 ケース加工無しでのボアアップは実質これが限界であり、スリーブの耐久性を確保できる妥当なサイズです。スリーブが程よく肉薄化されることで放熱も良くなるでしょう。ストロークアップのクランクも出現してくると思われますが、この辺りがやり過ぎないちょうどいいチューニングではないでしょうか。
ノーマルのピストンが想像以上に良くできていました。鋳造品ではありますが、最近のアフターマーケット鍛造ピストンのような無駄のない巧妙なデザインは今までのハーレーとは全く別物です。
今回のピストンは圧縮が高いので、点火タイミングや燃料をシビアに調整していく必要があります。そこをうまく仕上げることができれば低速からドロドロと力強く走行できるので、他の圧縮の低いピストンを使う必要はありません。
以前にも記事にしましたが、ミルウオーキーエイトになってノック制御が異常に過敏なので、実際には有害なノッキングが発生していなくても点火時期を遅らされてしまいます。それをうまくコントロールできることが重要ですね。
セッティング後の特性は、前回のパワーカーブからまんべんなく上回っています。ハイカムによって犠牲になった低速トルクも取り戻されました。レッドゾーン付近からの落ち込みが若干大きいのは、ノーマルスロットルボディの大きさの限界のような印象です。だからと言って大きなスロットルボディに交換しても限界付近での伸びが若干期待できるだけで、常用域では何の意味もありません。何でも交換するのではなくて、目的に合わせてノーマル部品の性能を使い切るのも大切だとは思います。
限界付近であと数馬力欲しい人はスロットルを交換して下さい。
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