サンプル車両はどちらもミルウオーキーエイトツーリングモデル114ci、水冷と空冷の違いがありますが、性能差の原因は主にエキゾーストパイプです。
青いグラフはノーマルパイプ、赤いグラフはV&H独立パイプ、マフラーはどちらも同じブラスバズーカ。
ハーレーのカスタム業界では昔から独立パイプが偉大な選択だとされてきましたが、一方では今回のグラフのような結果を認識している人達もいます。V-Twinエンジンの醍醐味でもある分厚いトルクは全域で低下してしまっているのが視覚的によく分かりますね。マフラーの構造によって特性が変わりますが、同じマフラーで比較すると結果は大体同じです。
過去のモデルにはパイプ連結ポイントが適切でないことが原因でアフターファイアの頻発やセッティングデータの採取ができない問題の解消の為にやむなく独立パイプを選択する場合がありましたが、近年の車両にその目的はあてはまりません。
別の目的として音質とスタイルの変化がありますが、音質はなかなか難しく、マフラーの構造によってはひどい音質に変化します。”ベロベロ”、”ベコベコ”、”バリバリ” など。
音量は大きくなりますが、納得できる音質になるマフラーはモーターステージ製を含め、ほんの一部だと感じます。
左側マフラーからの排気が弱いツーリングモデルの集合エキパイが、さも不良品かのように言われる方々がいますが、性能面では左右均等に排気が出ている事にメリットは無く、独立パイプは主に大音量にしたい人向けだと認識して下さい。
ミルウオーキーエイトツーリングモデルの場合、すでにマフラーを交換している状態でこれから独立パイプを検討している方々は先にカムシャフトの交換を検討するのもありです。費用的にはECMチューニングを含めると5万円ほど高くなりますが、音質の悪化によりマフラーの買い替えを迫られるリスクを抑えたままで音質&音量に迫力を持たせることができます。
私達も独立パイプを製品展開しているので、目的、メリット、デメリットをはっきりさせた上で選択して頂けるようこの記事を書きました。
トルクが出る、出ないの話題はまた別の記事で。
読んで頂きありがとうございます。
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